初級イメージング

 先般、「イメージングをどうやったら良いのか判らない」と云うご質問を頂きました。

 そりゃあそうですよね。
 例えば「マーフィの成功法則」とか「ナポレオン・ヒルの黄金律」とか『○○は、イメージする事で成功した』とか『良いイメージを持ちなさい』とか書いてある、もの凄いベストセラー本もあります。それ以外にも様々なメンタル関連、イメージング関連、自己啓発関連の本が出ています。
 しかし、長年メンタルの世界にいる私でも、残念ながらそれらの本を読んで成功した人に会った事がありません。とっても良い事が書いてあるのにね。さぁて、何故でしょう。
 その理由は、どんな状態でイメージしたら良いのかが書いて無いからなんです。
 「○○は、こうしてイメージする事で成功した」とか、「●●は、こんな風にイメージして……」とかですね。
 つまり「脳波をコントロールして緊張を除去し、潜在意識に働きかける」方法が書いて無い。

 Blogの「メンタル・ビルドアップ簡単概論」に UPしたように、私たちの身体には交感神経と副交感神経という自律神経があって、無意識のうちに身体のあらゆる機能をコントロールしています。
 交感神経はアドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなど、心身を緊張状態に保つホルモンを分泌させます。
 イメージ的には、自動車のアクセルです。踏み込むと、一気に加速しますよね。
 通常我々はこうした緊張の交感神経優位で生活しています。所謂「β波」状態です。
 逆に言えば、これでないと身体は活性してくれません。
 例えば、寝ている時はリラックス(弛緩)の副交感神経優位型になっています。
 それが朝、目覚ましが鳴って起きようとすると、副交感神経では身体が動きませんから、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌されて交感神経にスイッチが切り替わります。
 つまり我々が活動するには、交感神経が活性化する事が条件になります。ある程度の緊張が必要なんですね。
 しかし度が過ぎると、ノルアドレナリン神経系にコントロールされてしまいます。
 仕事などで緊張状態が続くと交感神経ばかりが働く「交感神経優位型」になってしまって、副交感神経が働かなくなる。ストレス等によって体調を崩すのは、身体が「交感神経優位型」になって緊張状態が続いているからなんです。
 極度の交感神経優位状態でアクセルをガンガンふかして飛び出そうとするのを、床迄ブレーキを踏み込んで押さえ込んでいるとして下さい。→冷え性、風邪、軽度ウツ病、不眠症、胃炎……。
 「交感神経優位型」は血糖値を上げます。血圧も上がります。なにしろ交感神経は戦闘モードですから。ブレーキを緩めたら…ブレーキが利かなくなったら…→自律神経失調症、ウツ病、自閉症、リウマチ、高血圧、糖尿病、ガン……。
 つまり緊張の持続や、経験にないことをしなければならない時の過度の緊張などですね。

 これに対して副交感神経は、エンドルフィンなど、生体リズムを整えるホルモンを分泌させ、心身をリラックスさせます。
 こちらは、ブレーキ。興奮してスピード違反や事故にならないように、アクセルをコントロールします。
 脳波はα波です。
 禅や瞑想を行って、心身が安定にコントロールされている時の脳波です。

 で、取り敢えず

 1 イスに座り、
  手のひらを上に向けて腿の上に置いて
  軽く目を閉じる。
  (手のひらを下向きにすると肩が力みます)
 2 こぶしを握り全身に力を込め、
  一気に抜力
  (脱力は駄目ね。氣力も脱(落ち)てしまいます)。
  それを二?三度繰り返す。
 3 両肩に思いっきり力を入れ上に上げる。
  そして一気に抜力。
  ストンと肩を落とします。
  それを二?三度繰り返す。
 4 両手を組んで思いっきり上に伸ばす。
  そして一気に抜力。
 5 「あぁ気持ち良い」と思いながら、
  ゆっくりと目を開けます。

 これが初級入門編と云った処。ジェイコブソン方式の筋弛緩法の簡易バージョンですが、これでも充分に抜力の感覚を養えます。α波も出やすくなります。
 1回にかける時間は1?2分程度。続けずに、思いついたら1日に何回でもやりましょう。
 その内に、緊張している時の自分に気付き始めます。そうするとリラックスしている自分も判ります。そのリラックス感が判る迄は、イメージングは行いません。
 リラックス感が判ったら、3?4の間で

  頭の中で「あぁ気持ち良い」と思います。
  ここで、リラックスして試合をしている自分を10秒程イメージします。
  更に、うまく出来た処を2?3秒イメージして口角を上げて下さい(ニッコリ、笑い真似でも結構)。

 これが、初級応用編の初級イメージングです。


(2011年10月)


 雑 記

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